Appleのサポート対応で思ったAppleの今後
先日こんなニュースが報道された。
アルファベットは言わずと知れたGoogleを傘下に置くホールディングカンパニーである。
一時的かもしれないが、アップルを抜いたという事実は大きいと思う。
僕は大学から社会人3年目くらいまでWindowsをずっと使っていたのだが、ある時からMacに切り替えてその使いやすさに感動し、以来、ずっとPCもスマートフォンもApple製品を使っている。
しかし、先日ある問題が起きてそれをAppleのサポートセンターに問い合わせた時の対応で、もうApple製品を使いたくなくなった。
最近、目新しい製品もサービスも少なくなってきたApple。 僕はこの件で一層、Appleの行く末が心配になってきた。
経緯
社内販促用のために法人名義でitunesギフトコードを一括購入したのだが、そのギフトコードはAppleが用意したセキュア受信箱なる管理画面に送られる。
具体的には、ギフトコードの注文手続きをAppleの営業担当に直接連絡をし、手続きが完了するとAppleからメールでそのセキュア受信箱にギフトコードが送られたよと案内が届く。
そして、その案内に記載されているURLリンクをクリックするとセキュア受信箱のログイン画面が表示される。
さて、ここでセキュリティ質問という、よく見る質問に対する回答の入力が必要なのだが、設定した覚えがない。 (恐らく登録時に設定したのだが、全く覚えてない。ここは自分に否があることを素直に認めよう。)
そこで、どうしたものかAppleサポートに問い合わせた次第である。
サポートの問題点
Appleサポートとは電話でやり取りした。 ウェブページ上でこちらの電話番号を指定するとすぐに電話がかかってくる。ここの対応は迅速だった。
電話でのサポートが始まるとまず初めに「解決できるように努力しますのでご安心下さい」というような会話からスタートする。 マニュアル通りの対応なのかもしれないが、まぁ、この言葉で多少安心したのは事実である。
さて、以下が具体的な問題だ。
本人認証の確認フロー
今回、セキュリティ質問を入力しなければどうにも進まないため、とりあえず、質問をリセットしてもらう対応をしてもらうことにした。
セキュリティ質問をリセットしてもらうためには本人認証が必要で、本人認証の確認フローは、以下の通りである。
- PC上でApple IDの管理画面を開く
- PINコードを伝える
- 本人認証情報の確認
さて、この後が問題である。
サポート曰く本人認証に必要なのは次の内のどれかなのだが、
- 製品情報(AppleIDと紐付いているApple製品の製品番号)
- クレジットカード情報
- セキュリティ質問(設定した内のどれか1つ)
今回問い合わせたアカウントと言うのは、Appleの法人営業担当の方から案内されたセキュア受信箱の作成に利用するためだけのAppleIDで製品との紐付けなどしていない。 そして、iTunesを利用して何かを購入したこともないから、クレジットカード情報の入力もしていない。
残るはセキュリティ質問の内どれから1つでも合っていればいいということなのだが、 そもそもそれが分からなくて問い合わせしているのだから、もう本末転倒である。
セキュリティ質問の項目
しょうがないので、セキュリティ質問の答えが合うまでサポートとやり取りを繰り返したのだが、 (このキーワードをサポートに伝えるというやり取り、ペットのかわいい名前とか料理の名前とか、設定した合言葉がちょっとかわいいワードだったりすると、言うのも恥ずかしかったりするので、罰ゲームみたいなやり取りだった。。。)
今回、僕が設定した質問は以下の3つ。
- 小学校の時に仲の良かった同級生の名前
- 初めて作った料理の名前
- 初めて飼ったペットの名前
設定時に質問項目は複数から選べるのだが、どれもこれも答えがぱっと思い浮かばないような曖昧な質問項目ばかりである。(個人差はあるのだろうが。)
もっと分かりやすい質問項目から選べるようにしてもらえないだろうか。
融通の利かないサポートスタッフ
上記のようなやり取りを6人のサポートスタッフと行った。 中には、最初から状況を再度説明しなければいけないスタッフもいて、ストレスは相当溜まった。
また、Appleサポートにはどうやら役職みたいなものがあるようで、上位のサポートスタッフも対応してくれるのだが、対応は相変わらず同じである。 なんのための上位スタッフなのだろうか。
結局、他に解決手段はないの一点張り。まるでマニュアル通りのお役所仕事だ。
残された手段は、合言葉が合うまで入力し続け、入力を複数回間違えるとロックが8時間かかるため、ロックが解除されたらまた入力を繰り返すという対応である。 当然だが、そんなことはやってられない。
最終的にアカウントを最初から作り直すことにし、Appleの営業担当の方が迅速に対応してくれ、無事、再度利用することができるようになった。
結論
当たり前の事ではあるが、サポートというのは基本的に活躍の機会が少ない地味なポジションである。極端に言えば、仮に製品が完璧であればサポートは必要ない。
但し、サポートにコンタクトを取る時というのは顧客がすでに困っている、助けを必要としている状態だ。そのため、顧客の精神状態は少なからず通常時と異なる。そうした顧客と直接的なコミュニケーションを取る重要な役割でもある。その対応のいかんで、ブランドのイメージがこうも変わることを痛感。
Appleは何よりユーザー体験を重要視する企業であったはず。 ユーザーサポートはそのユーザー体験には含まれないのだろうか。
今、中国内で圧倒的なブランド力を付けているのがXiaomiだ。 Xiaomiがここまで認知力を広めるに至った理由の一つに、ブランド立ち上げ時に、顧客サポートを徹底したからだという話もある。
ということで、本筋とは外れてしまうが、現在、PCとスマフォともに僕は、Apple以外の製品に変更することを計画中である。